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パラレルワールド

ジェスター
「ファンー。パラレルワールドって何ー?」
ファン
「中々難しい事質問してきますね。ジェスターさん。パラレルワールドっていうのは簡単にいえば異世界ですよ」
ジェスター
「異世界ー?なーんだ、私もう何回も行ってるー」
ファン
「・・・ちょっとそれは例外中の例外ですので・・普通は行けません・・・。
でも異世界とパラレルワールドは少し似てるようで違う点がありますよ」
ジェスター
「違う点?」
ファン
「はい。平行線っていう言葉がありまして・・・。」



『パラレルワールド』


   全く同じ人物

      全く同じ世界

         でも違うものがある。

テレビ
「隕石が落下し地球消滅まで残り3年となりました。各国で次々と建設されたコロニーへと移住しています。
国民全員分の宇宙船は既に建設済みで現在国民の希望者から移転を開始しています。
移住希望でまだ手続きの住んでない方は最低でも隕石落下半年前までには手続きを済ませ移住する準備を
整えてください。なお、隕石落下二か月前を切っても手続きが完了していない方は移住出来ない可能性があるので
早めに手続きを御済ませください」




キュピル
「隕石落下・・・三年前か。発覚してから早くも二年立つのか・・・」

生まれて20年間・・・ずっとこの家で過ごしてきた。
親と一緒に暮らし何不自由なく育ててもらった。この街から離れるのがとても寂しい。

キュピル
「移住は早くても隕石落下半年前でいっか・・・」

両親は既にナルビクを離れ移住している。ナルビクに思い出はないらしく隕石が怖いから手早く移住してしまった。
俺はこのナルビクが好きだしなによりも自分の家に物凄く愛着がわいてしまって移住しようにも中々心が動かない。
だからギリギリまでここで過ごそうと思っている。

キュピル
「はたして人間は宇宙で過ごせるものなのか・・・」

そんなことを疑問に思いつつ自分で淹れたコーヒーを飲む。・・・うーん・・。今日のは出来が悪いなぁ・・・。
しばらくすると時計を持ったジェスターが近くにやってきた。時計に指を示している。

キュピル
「え、もう午前九時?そろそろ仕事にいかないと遅刻しちまうな。」

もちろん九時になっていることはさっきまでニュースを見ていたから知っている。わざと言っている。

キュピル
「ありがとうな、ジェスター。」

にっこりジェスターが笑う。


両親が早々に移住してしまい実質一人暮らしが始まった訳だが一人だとどうも寂しい。
仕事でクラドに寄った時偶然ペット屋の前を通った。寂しさを和らげようとペットを飼い始めた。
そのペットがこのジェスターっというわけだ。口数は少ないが素直で真面目だ。

ジェスター
「はい」

ジェスターがポケットから飴玉を取り出した。いつも仕事に行く前に一粒くれる。

キュピル
「はははっ、ありがとう。それじゃ行ってくるよ」

ジェスターが頷きスーツを着てカメラと鞄を持ち外に出た。



==ナルビク・タイムズ


キュピル
「おはようございます。社長」
メリッサ
「あら、キュピル君。いつも通りの時間に出社してきたわね」
キュピル
「自宅から会社まで近いですから。そうそうずれることなんてありません」
メリッサ
「そう。どっかの眼鏡と大違いね」
キュピル
「・・・・マキシミンさんの事ですか?」
メリッサ
「そう。同僚の人も迷惑を被ってるわ・・・」

マキシミンの同僚であるルシアンっていう男に目をやる

ルシアン
「どうしてあの眼鏡はこうも遅刻をするんだ!!とっとと隕石に潰されてしまえ!!」

凄く苛立ってる。元々ルシアンは苛立ちやすい人間だから・・・可哀相な人と手を組んでしまったものだ。

メリッサ
「きっと、マキシミンは異世界でもグータラな人格してるんでしょうね」
キュピル
「ハハハ、そうに違いありませんね」

自分もなんとなくそんな気がする。

今俺が働いてる場所はナルビク・タイムズ。早い話新聞を作ってる会社だ。
つい最近まで俺は雑用をこなすだけの人間だったが隕石が迫っていることを知った俺は酒の勢いでつい
この地球の美しさが壊れるなんてもったいないっと大声で叫んでいたようだ。
それを社長に聞かれて地球が消滅するその寸前までカメラに地球の光景を納めてみないか?っと言われた。
流石に新聞の一面とまではいかないがそれなりのスペースを貰ってそこに写真とコメントを書いている。
最近になって人気も上がってきてやる気が充実している。

酒の勢いであのような事を行ったのだが事実、酒に頼らなくても俺はきっとそう言えたと思う。

メリッサ
「さっそくだけど出張してもらっていいかしら?」
キュピル
「はい」
メリッサ
「何か行くあてはあるのかしら?」
キュピル
「そうですね。海の谷っていう場所があるんですがそこの景色は人々を魅了する美しさを持っているようです。」
メリッサ
「人々を魅了する美しさ?」
キュピル
「はい。東の方角にはまるで海だと錯覚するかのように大きな湖があるのですが反対の西の方角を見ると
どれほどの勇気を持つ者でも竦み上がってしまうと言われる絶壁の崖があるそうです。
この二つのギャップが大変人気があるそうです」
メリッサ
「流石物知りさんね。さっそく言って頂戴」
キュピル
「はい」

機材を揃えさっそく会社を出、そしてクライデン平原へと向かった。
毎度毎度思うのだがこの世に魔法と呼ばれるものがあればどれほどいいかっと思う時がある。
・・・いや、実際にはあるといえばあるんだが・・。科学と違って魔法はそれほど進歩していない。
つい最近マナと呼ばれるものを集めて小さな火の弾を作り出すのに成功したぐらいだ。

どっかの異世界ではナルビクから海の谷へワープ出来る装置とかあったりするのだろうか・・・。
あったらぜひ使いたい。そして色んな場所へ行ってみたい。

キュピル
「・・・あんまり考え事してると走るペースが遅れちまう。急がないと」

小走りするようなペースで走っていく。
海の谷まで遠い。だから歩いてたら日が暮れてしまう。

キュピル
「ん・・・。ゼリッピだ・・・」

前方にゼリッピがいる。
大昔このクライデン平原にはモンスターが沢山存在していたらしい。
しかし百年ほど前になってから僅かにモンスターを見かける程度になってしまった。

キュピル
「これは珍しい。ゼリッピ、こっち向いてくれ」
ゼリッピ
「ピ?」

こっちを振り返った。その瞬間をシャッターに収める。

キュピル
「ナイスショット」

いい写真が撮れた。もうちょっと近づいて写真を撮るか・・・。
近づこうとした瞬間ゼリッピが威嚇してきた。

キュピル
「うっ・・やばいやばい・・・」

とてもじゃないがモンスターを倒せる力なんて俺には持っていない。
刀を振り回すだとか槍を持って戦うだとかとんでもない!!!逃げるので精いっぱいだ!!
ゼリッピとはいえど攻撃は酸で行ってくる。まともに貰うと足が溶けてしまう。
・・・・しかしここで負けるわけにはいかない。一流の写真屋ってのは恐怖に打ち勝つことから始まる。

キュピル
「ぐぐぐ・・・」

ギリギリのところまで接近する。ますますゼリッピが警戒を強める。
こんな怒ってる顔を撮ってもつまらないな・・・。
・・・そうだ。

キュピル
「ほら、飴だ」

ジェスターから貰った飴を一つ投げる。するとゼリッピが警戒を緩めて飴を拾った。
そしてそれを両手でつかんで頬張るように飴玉を口に入れた。

キュピル
「そこだ!」

パシャ っというシャッター音が鳴り響いた。
やった!超至近距離からレアシーンを撮影した!

・・・・。
・・・・・・・・っていけね!目的は海の谷だった!!

慌てて海の谷へと向かっていった。




==海の谷

キュピル
「おぉ、ここが海の谷か」

確かに噂通り果てしなく広がる海のような湖と思わず竦みそうになる絶壁の崖があった。

キュピル
「まずは海から撮影・・・ん?」

よくみると人が一人いる。
珍しい。こんな場所に人がいるなんて。
めっきりモンスターが見かけなくなったとはいえモンスターに襲われる可能性がある道を通らなくてはならない。
人々はリスクを避ける。だから滅多にこんな場所に人は来ないのだが・・・(おかげで写真屋という仕事が続けられる
せっかくだから話しかけてみよう。

キュピル
「こんにちは」
青い髪の女性
「・・・!、・・!?だ、誰かいるの・・・?」
キュピル
「???」

物凄く予想だにしていなかった返事が返ってきた。
そりゃあいさつしたのだから・・いるに決まっているだろう。

キュピル
「いますよ。」
青い髪の女性
「・・・人・・間?」
キュピル
「まさか僕が化け物に見えるとか言いませんよね?」

両手を広げる。

青い髪の女性
「・・・ごめんなさい。私目が見えないの・・・」
キュピル
「・・目が見えない?」
青い髪の女性
「そう・・。」

目が見えない・・・。目が見えないのなら尚更だ。何でこんな場所にいる?それも一人で?
聞かなければいいのについ気になって聞いてしまった。

キュピル
「どうしてこんな所に一人でいるんですか?」
青い髪の女性
「実は・・さっき私・・。モンスターに襲われて・・・」
キュピル
「モ、モンスター・・・?」

物騒な話だ・・・。

青い髪の女性
「それで・・。付添の人と離れ離れになっちゃって・・・。慌てて感覚に任せて逃げてきたの。
それで水の音が聞こえたからそこで休むことにしたの」
キュピル
「何で水の音が聞こえたから休んだんですか?」
青い髪の女性
「水っていい音なの。いい音ってのは人を集めるのよ。
だからここにいれば誰か来るって思って・・。そしたら貴方が来てくれた」
キュピル
「なるほど・・・。」
青い髪の女性
「・・・あ、申し遅れました・・。私の名前は ルイ・アリス・トラクシー と言います。
ルイ で良いですよ」
キュピル
「ルイさん?僕の名前はキュピルです」
青い髪の女性
「キュピル?」
キュピル
「はい。本名じゃないように見えますが列記とした本名です。ルイさんみたいに名字はありませんけど・・」
ルイ
「キュピルさん。あの、厚かましいと思いますが・・・。街まで連れてってくれませんか・・・?できれば・・付添の人も探してくれると嬉しいんですが・・・」
キュピル
「構いませんよ。ただその前に写真を撮ってもいいですか?」
ルイ
「写真を撮る?私をですか?」
キュピル
「あ、あぁ・・。違います。ここの景色です」
ルイ
「景色?」
キュピル
「僕はカメラマンなんです。それで今仕事でここに来て・・・」
ルイ
「そうなんですか。」

さっそく三脚を置いてカメラをセットする。
ベストアングルから湖、崖・・・時間をかけてじっくり良い写真を撮っていく。
・・・うん、いい写真だ。

ルイ
「今私が居る場所は綺麗な所なんですか?」
キュピル
「凄く綺麗な場所です。でも道中が危険なので滅多に人は来れませんけどね。」
ルイ
「どんな感じに綺麗なんですか?」
キュピル
「ルイさんから見て右の方に海のように広がる湖があって左にはどれ程の勇気を持っていようが
思わず竦んでしまいそうな崖があります」
ルイ
「海のように広がる湖・・・思わず竦んでしまいそうな崖・・・。
他はどんな感じなんですか?」
キュピル
「・・・ほ、他?」

色々聞いてくる。目が見えないだけに景色については物凄く気になっているのだろうか・・・。
しかし他と言われても特に目につくものは・・・

キュピル
「・・・・あ」

ちょっとしたイタズラを思いついてしまった。好奇心が湧いたし言っちゃおう。

キュピル
「僕の目の前に綺麗な人がいますけどね」
ルイ
「・・・私・・自分の顔見た事ないから分らない・・・。」

あ、なんか言っちゃまずかったかもしれない・・・。
他にも何か言おうとしてたけど慌てて他に何か綺麗な物がないか探してみる。
しかし見つからない。その時ルイが喋った。

ルイ
「あ・・・。鳥の声」
キュピル
「・・・鳥?」

言われてから初めて気付いた。本当だ。鳥の声が聞こえる。
・・・鳥か。

キュピル
「・・・いけるかもしれない」
ルイ
「何がですか?」
キュピル
「いい写真だよ」

近くの木に止まっている鳥にカメラを向ける。
・・・綺麗な鳥だ。・・・あ!!飛ぶ!!

慌ててシャッターを下ろす。
幸運な事にまだ木に乗っかっている鳥と今飛んだ瞬間の鳥が写り更にその背景の
絶壁な崖との絶妙なマッチがまた自然を良くあらわしている。

キュピル
「ルイさん、ありがとう。貴方のお陰で良い写真が撮れたよ」
ルイ
「見たいなぁー・・・。その写真・・・」
キュピル
「・・・僕も見せたいぐらいです」

必要な写真は取れた。さっそくナルビクに戻ろう。

キュピル
「ナルビクに戻ります。ルイさん、行きましょう」
ルイ
「あの、手を繋いでくれませんか?」
キュピル
「手?」
ルイ
「前が見えないから誰かと手を繋いでないと怖いんです・・・」
キュピル
「・・・ちょ、ちょっとまってください。手今汚れてるので洗ってきます。」
ルイ
「ふふふ・・・まさか緊張してるわけじゃありませんよね?」
キュピル
「まさか」

別に緊張してない。ただ本当に手が黒く汚れてる・・・。

ルイ
「いいですよ、そのままで。私走れませんから早く行かないと日が暮れちゃいます」
キュピル
「・・・わかりました。でも後でもう一度『手洗ってください』なんて言っても聞きませんからね」
ルイ
「カメラで手が黒く汚れているだけだったら全然構いませんよ」
キュピル
「・・・よくわかりましたね」
ルイ
「長年目が見えないと別のところの感覚が発達していくんですよ。さぁ、行きましょう」

ルイが手を繋いできた。ルイは目を開けているが実際は前が全く見えていない。
それなのに的確に手を繋いでくるものだからまるで実は見えているんじゃないかと錯覚を起こす。


ルイの手を繋いでゆっくりナルビクへと戻っていく。若干自分が先行する形だ。

キュピル
「ルイさん。さっき長年目が見えないとって言ってましたけど昔は見えていたんですか?」
ルイ
「小さい頃不慮の事故で視力を失って・・・。四歳ぐらいまでは見えてました」
キュピル
「・・・辛いですね」
ルイ
「全然辛くありませんよ。確かに不自由な所もありますけど・・・。
でも嬉しい事だってありますから」
キュピル
「嬉しい事?何ですかそれは?」
ルイ
「秘密です」

本人がクスクスっと笑う。
何の事かさっぱりだ。


その後六時間かけてナルビクに戻った。結局付添人は見つからなかった。
・・・お互いヘトヘトだ。



==ナルビク・タイムズ


キュピル
「ただいま戻りました」
マキシミン
「うーっす・・・っておい。その女誰だ」
キュピル
「彼女の名前はルイさんです。ちょっと訳ありで連れてk・・・うわっ!?」

突然マキシミンがググッと腕を引っ張った。

ルイ
「あっ・・・」

繋いでいた手が離れる。

マキシミン
「(おい、てめー。先輩に許可なしに先に女作るとはいい度胸してんじゃねーか・・・あ?)」
キュピル
「(知りませんよ!!そんな事言ってる暇あったら早く御似合いの彼女作ったらどうなんですか!?)」
マキシミン
「(生意気な後輩め!)」
キュピル
「(そんな性格だから仕事にも遅刻するし彼女も出来ないんです!!)」
マキシミン
「(んじゃ聞くがあいつはお前の彼女か!?)」
キュピル
「(だから違いますって!!)」

ブデンヌ
「おい。そこの男二人。お前等にホモの素質があるとは全然知らなかったぞ」
マキシミン
「誰がホモの素質だ!!」
キュピル
「あ、部長」

ブデンヌ部長は筋肉質だ。いつもタバコを吸っている。

ブデンヌ
「それよりキュピル。このお嬢さんは何なのか説明してもらおうか」
キュピル
「実は海の谷へ出張してる時・・彼女と会って・・・。彼女目が見えないそうなんです。
それで付添人と一緒に海の谷まで行ってたみたいなんですけど付添人とはぐれてしまい・・・。
それで彼女を連れてナルビクまで戻ってきたんですが・・さっき凄い事知っちゃって・・・」
ブデンヌ
「凄い事だと?」
ルイ
「実は私の家・・ナルビクじゃなくてライディアにあるんです」
マキシミン
「・・・正反対の位置じゃねーか!!」
キュピル
「そうなんですよ・・・。だから誰かにルイさんの面倒を頼みたくて・・・。
僕はジェスターが居ますから帰らないわけにはいかなくて・・・」
ブデンヌ
「悪いが俺には女房がいる。女連れたらぶっ殺されるな・・・」
マキシミン
「お、なんならこの俺様が・・・」
ルシアン
「黙れ、眼鏡!!」
マキシミン
「ぐあっ!!」

後ろでルシアンがマキシミンの頭を思いっきり殴った。

マキシミン
「何しやがるてめー!」
ルシアン
「もう一発貰いたいか?ん?」
マキシミン
「・・・ちっ!」
ルシアン
「見ての通りマキシミンにだけは任せない方がいい。キュピル」
キュピル
「もちろん。ルシアン先輩は・・・無理ですよね。」
ルシアン
「そうだなぁー・・・。俺も妻がいるからなぁ・・」
マキシミン
「けっ、ティチエルだかテュチエルだかしらねーが・・・」
ルシアン
「黙れ屑」
マキシミン
「ぬぐぇっ!」

キュピル
「メリッサさんに頼むしかなさそうですね・・・」
ブデンヌ
「キュピル。メリッサは出張しに行っている。今日は戻って来ないぞ」
キュピル
「・・・なんてこった、誰にも頼めないかー・・」
マキシミン
「おい、お前自分の家に泊めてやれよ。お前だけ女房いねーんだからよ!」
キュピル
「・・・・。ルイさん。なんか本当に最悪な会社でごめんなさい。」
ルイ
「いえ、いいんですよ。楽しそうですね」

にっこり笑う。彼女は強い・・・。

キュピル
「ルイさん。嫌だったらいいんですが僕の家で一晩過ごしてくれませんか?
今日はもうライディアまでいく余力がありませんから・・・」
ルイ
「いいんですか?むしろ私から頼まないといけないのに・・・」

結局ルイは自分の家で一晩泊ることになった。

マキシミン
「上手くやれよー!ひひひ」
ブデンヌ
「死ね!」
ルシアン
「死ね!」
マキシミン
「んがあぁぁぁっっー!!」




==自宅

キュピル
「ただいまー」

家に帰った瞬間テレビを見ていたジェスターがこっちに向かってひょこひょこ歩いてきた。
そしていつも通り目の前に立って止まった。

ジェスター
「おかえりー」

腕をぱたぱた動かして言う。可愛いしぐさだ。

ジェスター
「・・・?」
キュピル
「ジェスター。ちょっと訳ありで今日はルイって人を家に泊めるけど大丈夫かな?」
ジェスター
「うん」
ルイ
「ここがキュピルさんのお家ですか?」
キュピル
「そう。元々ここに両親も一緒に住んでいたので一人・・・いやペットと住むにはちょっと広いですね。
両親の居た部屋を客人用の部屋にしてあるのでそこを使ってください」
ルイ
「何から何まで本当にありがとうございます・・」

ペコリと頭を下げるルイ。

キュピル
「そ、そんな改めなくていいんですよ」

ジェスターも何故か頷く。

キュピル
「何か分らない事があったら言ってください」
ルイ
「はい」
キュピル
「ご飯が出来ましたらまた呼びます」

そういってキッチンへ向かっていった。



調理してる途中扉が空いた。ルイがやってきた。

ルイ
「散歩・・してきてもいいですか?」
キュピル
「散歩ですか?」
ルイ
「はい。波の音が聞こえたので・・」
キュピル
「構いませんけど気をつけてくださいね。一応ジェスターお供させますけど。
ジェスター。ルイさんのことお願い」

ジェスターが積み木遊びをやめてルイの元へ駆け寄った。良い子で嬉しい。
ワガママな子だったらこの生活は成り立たない。

二人が外へ出る。
窓から二人の姿が見える。

キュピル
「・・・なんだか良い光景だなー」

キッチンの火を消す。そしてカメラを取り出す。
窓を開け身を乗り出して砂浜の上に立つ二人の姿をレンズに収める。

キュピル
「・・・貰った」


カシャ


良い写真だ・・・・。これは凄く良い・・。

・・・。

あ、二人とも振り向いた。ばれちゃったか。
・・・ってルイさんは目が見えないからばれてはいないのか。
ジェスターは・・・あ、笑った。もう一回シャッター下ろしちゃおう。

写真を二枚とって再びキッチンの前に戻る。
こんないい場所も後三年で二度と見れなくなるのか・・・・。

なんか寂しくなるなぁ。






続く
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